015.写真の見せ方を考えていきたい 1/2
※2010年5月・新宿のカフェにて
Profile
喜多村みか(きたむら・みか)
写真家
1982年福岡県出身
東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻写真領域修了
2005年ニコンJuna21
2006年キャノン写真新世紀 優秀賞(渡邊有紀氏と共同制作)受賞
HP:http://www.mikakitamura.com/
『女性フォトグラファーズガイド SweetPhotoVisions』(砂波針人編・河出書房新社刊)
気づいたらカメラが一番続いていたって感じで
― 写真家という職業を意識したのはいつ頃?
中学生の時、お年玉でカメラを買ってから撮り始めたんですが、 もともと文章も絵も上手な方じゃなくて、造形っぽいものも見るのは好きなんですけどなかなか作れなくて。ただ、なにかをつくっていたいとはずっと思っていました。
結局、消去法で写真が残った気がします。
結構、あきっぽい性格なんですが、気づいたらカメラが一番続いていたって感じで・・・
一番のきっかけというと、高校の時に影響を受けた男の子がいて、
その子が書いた文章を読んだ時に「同じことを写真でできたらいいな」と思ったのもありますね。
写真は変な性質を持ったメディアで、ある意味、一番面倒くさいかも。
一番やりたいようにできないのが写真かもしれません。
だから、ずっと自分の中で引っかかっていたというか、そんな感じですね。
― 何か納得できるものが生み出せていたら、やめていた?
そうかもしれません。
こういうことは、納得するものじゃないんだろうなと思います。
なので、いつまでも続けられる。
― 人を撮るのと物を撮るのとどちらが得意?
ん~、どちらとも言えませんが、人は面白いなと思います。
でも、なかなかうまくいかない。
― 困った被写体に出会ったことは?
まったくフォトジェニックじゃないなと思う人はいます。
それは単に、私との相性でもあるのかなと思ったりします。
― もうちょっと具体的にどんな?テレビに出ている人で言うと?
なんというか、器量の良さではなく、単に写真にしづらい人っていうのがいるんです。
それは撮る人によって違うでしょうし。
うまく言えませんが、雑誌やテレビの影響って大きいなって思います。
― オンリーワンになるとか、自分だけのオーラをつくるにはどんなことに気をつければいいと思いますか?
面白い人と一緒にいるようにする(笑)
そうすると、自然に、いいものを観たり聴いたりする機会にめぐまれたり、考えさせられることが起きたり、そういうものなんです、たぶん。
― はい、気をつけます(笑)
―素人が撮影現場を想像すると、「いいね~」とか被写体を乗せる声が飛び交うイメージがあるんですが、喜多村さんはどんなタイプですか?
私はあまり話しません。撮る時は撮ることに集中します。
人の写真をたくさん撮って並べてみると、その人の何かを引き出すというよりは
私の何かをぶつけて撮っているタイプだと思います。