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009."好き"を仕事にするということ 2/4

佐々木ルイス氏 009.

人生を変えて、ダンスの力を試したかった

日本での生活にも慣れ、安定したところで氏はNY行きを決める。 仕事も全部辞めて、本場ブロードウェーで武者修行一年。 さらに、スペインに渡ってフラメンコ修行。この挑戦が、氏の未来を方向づけることになる。

「ダンス、やってみたいかな」と思えるようになったんだ。
俺が生まれて育ったドミニカは小さな島で、 ずっとそこから出ないままで生きていく人も多いけど、 俺は日本に来て、暮らして、働いてみて、いろんなことがわかってきて やりたいこと、行きたいところがはっきりしてきた。
日本に来てチョイスが広がったんだよね。できること、やってみたいことが いっぱいあるってわかったんだ。
やりたいことが見つかるとチャレンジする気持ちになるし、"生きてる"って感じがするよね。

― 力を試したくなった?

プロ・ダンサー/ダンス・インストラクター/ステージ・プロデューサー 佐々木ルイス氏

そう。
自分がどれくらいできるか知りたくなった。そのために自分の国の踊りは もちろんだけど、本場でジャズ、バレエ、ヒップホップ、モダン、アフリカン、 できることに全部にチャレンジしてみようとNYに行ったの。 毎日、ホントにたくさんのレッスンを受けたんだ。 バイトして、レッスン受けて、ご飯を食べて、その繰り返し。 1日に何本もレッスンを受けてた。
それから、つながりのあるスペインに行って、南の方までずーっとあっちこっちを 見て歩いて、マドリードではフラメンコとかモダンを習ってきた。

― 「ダンスが仕事になる」という手ごたえがあった?

食べて行けるとか、そこまでは真剣に考えなかった。もともとお金のことは あんまり考えないタイプだし、ドミニカの人もそうだけど、 お腹いっぱい食べたかったら今日はいっぱい食べて、明日のことはまた考える。 だから、その時も「まず、教えてみようかな」ってそんな感じ。
やりたいことは今やった方が楽しいよね。迷ったら、楽しくないよ。

カリスマ・インストラクター、佐々木ルイス誕生

― 日本に戻って、いよいよインストラクターとしてスタート。アプローチはどうした?

プロフィールつくってすぐにあっちこっちのフィットネスクラブに出してみた。 「こんなレッスンできます」って書いて。

― 自力で営業した?

プロ・ダンサー/ダンス・インストラクター/ステージ・プロデューサー 佐々木ルイス氏

そうそう(笑)「よかったら電話ください」って。 そうすると、「じゃあ、来てください」って言われて、すぐにオーディション。 それで試しに1回くらいレッスンして、だいたいそれでほとんど決まっちゃった。 最初は表参道のエグザスだったかな。

インストラクターになって約10年。氏は現在、都内中心部で20レッスンを持つ 超人気インストラクターである。 生徒は全体でおよそ500人。1日に4クラス150人を指導する日もある。 "カリスマ""貴公子"彼をこう呼ぶ、熱烈なファンも多い。 佐々木ルイスのクラスはいつも人で溢れ、活気に満ちている。 生徒が減ることはない。客商売における永遠の課題は"集客"であるが、 根強い人気の秘密はどこにあるのだろうか。

― あれだけの数の生徒はどれくらいの期間で集まった?

すぐ。
最初から満員になっちゃった。人を集めるってことを意識したことはないんだけど、 自然に集まっちゃったんだ。

― レッスンはどう工夫している?

ダンスで一番大切なのはリズム。リズムは基本だよね。 だから、とにかくリズムをちゃんと取れるように教えてる。 リズムがしっかり取れないと上手にならないし、レッスンも楽しくならないから。

― なかなかできるようにならない人にはどう接している?

「違うよ!」とかストレートに言うのは無理じゃない?やっぱり(笑) 例えば、逆の動きをする人がいたら、どうやったらその人がわかってくれるか、 言い方をどんどん変えたりして説明する。俺、日本語が間違ってるところが あるかもしれないけど、それを面白がりながらでもいいから、 うまくなってくれたら嬉しい。 でも、叱るよ。長く習っている人のことはたま~に。

― どんな風に?

プロ・ダンサー/ダンス・インストラクター/ステージ・プロデューサー 佐々木ルイス氏

「聞いてる?」とかちょっと大きめの声を出したりして(笑) レッスンを受けるテンションを保って欲しいから。
昔は厳しかったかも。教えたらすぐできるようになって欲しいっていう 気持ちが強すぎちゃって。今はそうじゃないけど。 生徒にとって楽しいことを探すし、俺も楽しめるようにやってる。 そうじゃないと続かないでしょう?

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