007.職業:莉理せいら 6/6
私の教え方、私のスタジオ
― 主宰しているセーラーズ・スタジオについて聞かせてください。

子どもにも、まったくの初心者の大人にも丁寧に指導します。
体が硬いからと不安に思わなくて大丈夫。
いくつになってもレッスンを受けるうちに体は変わってきますし、
柔軟性も出て、筋肉もついてきます。
曲を体で感じて表現できることを楽しんでもらえるよう、レッスンを工夫しています。
― 他のスタジオと教え方の違いは?
子どもも含めて、あまり技にこだわりすぎないことです。
技は必要ですが、それを表現するために踊りはあるので、
まず、表現したいという気持ちを持ってもらいます。
ただ体を動かす気持ち良さなら、きっとエアロビクスの方が達成感はあると思います。
レッスンでは体を動かすのではなくて踊ることを教えます。
決められた形をやることにとらわれず、どの振りでもできるように基礎の基礎と、
体の使い方を教えます。
指導者の目と成長の芽
― レッスンを始めて変わった生徒さんについて聞かせてください。
みなさん、かなり伸びてきているんですが、あえて挙げるなら、
四十路を過ぎてレッスンを始めた方で、トゥシューズで立てるまでになった方でしょうか。
普通はかなり難しいことなんです。
目に見えて体のラインがきれいになってきますし、
他にゆがみが直って体調が良くなったという方もいます。
それから、表情が違ってきます。
最初のうちは会社帰りでお疲れ気味だったけれど、レッスンにくる度に
目に見えて気持ちにハリができて、明るい表情になる人が増えて嬉しいです。
子どもについて言えば、最初は目を合わせることができないくらい内気で、
恥ずかしがり屋さんでも、体で表現することができるようになることで快活になって、
心が成長してきているのを感じますね。
― 子どもに教えていて難しいと感じる時は?
伸び盛りは同時に難しい時期でもあります。
学ぶ姿勢が出来上がって、色々なことを吸収できる力がついてくる反面、
身長も伸びたりして体のバランスが崩れることも。
経験上わかることですが、その時期はチャンスでもあるので、
子どもの変化に敏感になるように心がけています。
― レッスンで生徒に特に意識して欲しいことは?
先生を見る。鏡に映る自分を見る。他の生徒との位置関係をしっかり見る。
相手があって初めて競争は成り立つし、張り合いも出てくるわけですから、
集中しながら、多方面に意識を向けられるようになって欲しいです。
その経験から生まれる勘が将来、必ず役に立ちます。
子どもにとって、私のスタジオがそういうことを自然に意識できる空間になればと
いつも思っています。
だから、「先生を見て!」「鏡を見て!」「周りのみんなはどう?」 としょっちゅう言います(笑)
― せいらさんが習っていた時代との違いを実感する?

そうですね。
レッスンは1対多なので、厳しく注意された時など、私は特に「やった!」と思ったものです。
手の形や顔の向きをスッと直されたりすると「よし!見てもらえた」と(笑)
見どころのある子に指導者の目が行くのは当たり前ですし、注意したくなるもの。
でも、意外に叱られ慣れていない子が多くて、言うとシュンとされちゃうことも
あるんです。そんな時は正直に言います。
「もっとアピールして!これはどう?見て見て!っていうくらいの気持ちを持って!
お家ではお母さんに叱られないようにすればいいけど、
ここでは気持ちを切り替えて!」と。
「つま先をもっときれいにしないとダメでしょう」と優しく言ったつもりでも 肩を落とす子もいます。 そんな時はいつも内心、「そうじゃなくて、まずつま先直そうよ」と思います。 一回一回のレッスンはチャンス。 かつて、私がそうだったように、先生の想いを素直に感じて帰って欲しいです。
― これから挑戦したいことは?
ミュージカルの構成や振り付けをやりたいですね。 今、スタジオの生徒でやっている発表会をさらに発展させて 自分で舞台を作り上げたいです。
― 踊りにまつわること以外では?
ちょっと思いつかない(笑)どうしよう・・・
― やっぱり。天職だからですよ(笑)それでいいんです。
インタビュアー後記
インタビューの後、スタジオから自由が丘の駅までせいらさんと歩いた。
その間、5分くらいだろうか。
「しまった」と思う瞬間があった。
インタビュー中は見えなかった表情を横顔に見つけたからだ。
インタビュー中、緊張させてしまったかもしれないと反省するくらい
その表情は柔らかく、ゆったりとしたもので、
タカラジェンヌというよりは華奢な可愛い女の子のようだった。
ワンショット、欲しいな。とっさにバッグの中のカメラに手を伸ばしかけたが、
その表情を見ていたくなって、結局、カメラに収めることはなかった。
舞台こそ観ることはできないが、筆者も莉理せいらに魅了された一人である。
このコーナーについて
あなたは子どもに自分のことを話せますか?
どんな仕事をし、どんな人生を歩み、
どんな夢を描いているか、話すことができますか?
人の想いや夢を知り、 厳しい体験や素晴らしい経験に触れ、 驚いたり、感激したりすると、心は自然と柔らかくなります。
本にも雑誌にも載っていない、テレビでも見られない。
ドリキャリはオリジナル・ストーリーを発信するメディアです。
共感したら、今度はあなたが子どもに語りかける番です。
本物の大人が背中を見せるチャンスをドリキャリからあなたへ。