002.自分を表現できる人間であれ! 1/3

※このページの内容は2009年5月29日インタビュー時点のものです。
Profile
遠藤 正芳(えんどう・まさよし)
1947年東京都出身
前三重県津市立南が丘小学校校長
AEFAアジア教育友好協会専務理事
東京大学工学部卒業後、新日鉄入社
米国スタンフォード大学修士課程修了
2003年4月、一般公募の小学校校長職に68倍の倍率を突破して着任。
2007年に退任後、AEFA専務理事に就任。62歳。
夫人は劇団四季出身の女優さつき里香さん(
HPへのリンク)。
- AEFAアジア教育友好協会
- 『顔も心も見える支援・交流』を掲げ、これまでにアジア各国に 56校を建設し、支援・運営にあたっている。 今年も新たに22校が誕生予定で、設立実績は78校に上る見込み。
学校は未来を担っていく子どもたちのためにあるのだ
― サラリーマンから校長へ、転身のきっかけから教えてください
新聞の小さな募集記事がきっかけです。
『津市立南が丘小学校長募集』と載っていまして、たまたま、それが目に止まりました。
最初はそれほど関心もなくて、「あ、募集しているな」とそんな感じでした。
今にして思えば、いくつも予兆はあったと思いますが、
ちょうどその頃、役員として社内の昇格面接などを担当することが、よくありました。
面接官として、一人ひとりの若手社員に今後のビジョンなどを細かく聞くのですが、
全体的に物事を言葉でしっかりと表現できない、前向きさが感じられない、受身の若者が多い、
ということを、だんだん強く感じるようになりました。
驚きといいますか、衝撃といいますか。
もう立派な大人ですから、現状でそうだということは、当然ながら、
そうなるだけの素地があるということです。
自ずと「どういう教育を受けてきたのだろう」という疑問がにつながりました。
そして、ピンときました。学校教育にも責任の一端があるのではないかと。
学校教育の入り口にあたる小学校では何を教えているのだろう?
子供にとっての学校とは何だろう?
学習するに相応しい環境とは?
自分に問い続けるうちに、あの校長募集の記事がぐっと近づいてきました。
随分と迷いもしましたが、一次試験の論文だけでも出してみようと応募論文を提出したら通過しました。
(思いもかけず最終面接も合格してしまいました。倍率は68倍だったそうです。)
― 会社やご家族の反応は?
当時、会社では面白く、やりがいのある、刺激的な仕事をさせてもらっていましたし、
上司もそれを理解してくれていましたから、相談したところ、かなり驚かれましたし、
強く慰留もされました。
一方で、地元の教育委員会からは「円満退社をして来て欲しい」と云われていましたから、
それこそ、私が自分の想いをしっかり表現し、会社に伝えなければいけないと思いました。
学校教育の現場に行って、「自分自身が子どもから学ぼう」と考えていること。
教師や親や地域が子どもたちのために何をすべきかを、一緒に考えたい。
学校は未来を担っていく子どもたちのためにあるのだということ。
最後は上司も理解をしてくれて、会社は私を快く送り出してくれました。
妻は「どうぞ」という感じであっさりと承知し、
はじめての三重県暮らしに同行してくれました。実際、現地での4年間で新たに
仕事を始めて、彼女なりの活路を見出しました。有難いことです。