プロトコーポレーション人事部長福本様 採用ツール編(ドリームツリー)|インタビュー
プロト様では平成22年度採用候補の学生を対象に採用ツールとして、
ドリームツリー※をご導入いただきました。
※プロト様のご意見を取り入れ、オリジナル採用ツールにカスタマイズしたドリームツリーです。
面接を受ける学生に前もってドリームツリーを描いてもらい、それを基に面接を行なうというものです。
従来の面接スタイルを含め、採用ツールとしてのドリームツリーの使用感、さらに、
ご導入後にどのような変化があったのかなど、
ドリームツリー公認インストラクターでもある、人事部長・福本様にお話を伺いました。
Q.これまで行なっていた面接についてお聞かせください
去年までは『逆面接』というスタイルを取り入れていました。 学生が面接官に質問をする、というものです。
質問は、「就職情報をサラッと拾った表面的なもの」から「社会の仕組みを深く洞察するもの」など様々です。
世界観や時代観など、どのような切り口で世の中を観ているか、
質問の難易度(思考の方法や深さ、面接側の意図を読む力)から、学生の能力が浮き彫りになってしまうのです(笑)。
真の能力とでも言いますか・・・。
学歴は(仕事の)能力を保証するものではありません。
強いていえば、「頑張るべきときに頑張ったかどうか」を保証するもの、またその「頑張ったレベル」。
これは時間や空間を越えて一貫性を持つ、その人自身の能力だと思います。 だけど偏差値が高ければ仕事の能力が高いかどうかといえば、確率は高いかも知れませんが、比例するとも言えません。
いわば「単に学歴だけでは見えない能力を見たい」ということでしょうか。 一方、こうした能力は学生のもっと「基礎的な関係性」と相関が高そうだ、 ということが感覚的に分かってきました。同時にその関係性を知ることで、 能力以前に大切な選考基準、「価値基準」や「人生の志向性」を推量できる、と。 それを可能にできそうなのがドリームツリーだったんです。
Q.ドリームツリー導入のきっかけは?
『若者のあり方の変化』を如実に感じたからです。
よく言われることですが、年々、若者の社会的な成熟度が低くなってきているな、
と実感しているわけです。周囲との関係性構築能力が脆弱なんですね。
あるいはサバイバル能力というか、生き抜く能力などもそうでしょうか。
その原因のひとつとして考えられるのが親との距離感・関係です。
言うなれば、"友達親子"みたいな関係で距離がとても近い。
もちろん、仲が良いのはいいことですが、親と友達の役割(機能)は違いますよね。 私は、親は親として生き方を示せる存在であって欲しいと思いますし、 周囲の様々な生き方に接することによって子どもは自律していくんだと思います。
実はこの数年、新入社員の親御さんと話す機会が増えました。
例えば、
「入社して3ヶ月経ちましたが、うちの子はちゃんとやっていますでしょうか?」
「息子が車を買いたいと言っているんですが本当に必要でしょうか?」
ときには、「ウチの子の帰りが遅い」と会社に電話がある(笑)。
友達親子というか、相互に親離れ。子離れができていない。
親を見れば子がわかる、なんて言いますが。親御さんに会って話してみて、
「なるほどな」ということがあります。
これからは親御さんの面接をした方が早いんじゃないかと思うことも(笑)。
最近は「躾ができていないから、躾の研修をやりましょう」という会社も増えていると聞きます。 社会的な行動変化があって、これまで見なくてもいいところまで見なければ いけないと思い始めていたところでドリームツリーの存在を知りました。
Q.ドリームツリーで見えてくるものとは?
学生にはドリームツリーを書いてもらい、それを基に3分間、プレゼンをしてもらいます。
プレゼンという意味では、3分間という時間はその場で言い渡されますから、 もともと文章で長々と表現していたメッセージを、さらに濃く抽出するという作業を 瞬時に求められるわけです。
だから、ちゃんと考え抜いて書いている学生や、コンセプチュアルスキル(物事や課題を概念化し、本質を捉える能力のこと)の 高い学生はすぐにわかります。
一方、楽しく、イキイキと仕事をする社員の特徴は「目的観をしっかりと持っていること」なんですね。
この仕事は何のためにするのか、自分はどのように生きるのかと。
それらは意欲やエネルギーの源泉であるわけです。あるいはモチベーションのスイッチのようなもの。
そのスイッチがあるのかどうか、またはどこにあるのか。
そういう力を"見える化"してくれるのがドリームツリーです。
Q.自前の表現力を鍛えるツール
バーチャル環境はビジネスや社会生活を便利にしましたが、 コミュニケーションや関係性の在り方を変えてしまいましたね。
最近の学生は、愛の告白すらメールだとか(笑)。 「合コン」よりも「出会い系」、だったりするんでしょうか。
携帯電話がなかった時代(そんな昔ではないと思いますが)、ガールフレンドと連絡を取るとなると、
自宅の(固定)電話番号を聞くしかなくて、その先にはお父さんというクリアしなければならない
"関門"があったわけです(笑)。
携帯電話のように、好きな時間にダイレクトに繋がる"楽な(便利な)"環境がなかった。
そこで問われるのは、コミュニケーション力や一般常識です。
挨拶がダメ、話し方がダメであれば、即、ガチャンと切られてしまいますから、 いかにお父さんと対話するかを考える。もちろん予め戦略を立てておく― 必然的に関係性の作り方やコミュニケーション力を鍛えられていたんですね。
情報を伝える能力・受信する能力も変わりました。 我々は活字や文字の世界で情報を遣り取りした世代ですから、 行間や文脈から相手の意図を読み取ることを求められていました。
だから相手の立場(視点)で考えることが容易です。 目で見たモノを伝えるのも文章ですから、 それなりの表現力がなければ正確には伝わらないわけ(笑)。だから豊な言葉・語彙を持つようになる。
ところが最近は映像で情報を遣り取りしますね。写メールとか、動画とか。
その方が正確で分かりやすい。でも情報の送り手は表現能力を必要としないし、
読み手は行間や文脈を読み取る必要はないわけです。
これまで無意識に鍛えられていた能力がどんどん欠落していく・・・。
昔は「こんなものを見たよ」という事実を言葉で表現して伝えないといけなかった。
きれいな夕焼けを見たら、オレンジや琥珀色の合間に地平線が絡むように重なって・・・となる。
その「琥珀」とか「絡むように重なって」、という表現にはその人らしさが出ますね。
写メールなら、ポチッと撮って送信するだけ。
必死に伝えようとする経験がなければ、相手の疑問や知りたいと思っていることに 敏感になることはできませんし、気づくこともないでしょう。
Q.求める人物像とは?
面接するだけではわからないことがわかるのがドリームツリーです。
面接では聞けないことも分かったりする・・・。
例えば、幹の両サイドに誰を書くかで自立度や成熟度、周囲との関係性が見えてきます。
もっと深く知りたい、聞きたいと思っても、プライバシーに関わることを聞くことが なかなか難しい時代です。 そんな中で無理に探り出さず、自然に表現することを促せるところが ドリームツリーの良い点だと考えています。
また、書き手である学生も考えに考えて言葉に集約するので"鍛えるツール"でもあると思います。
平均点主義を脱し、自分の範囲を飛び出して、
ちゃんと話せる人やちゃんと考えている人材を増やしたい。
求めているのは"言われた通りにやる"人ではなく、
"物を深く考え、多方面から見、考えて行動できる"人です。
そういう意味でドリームツリーは大変に有効だと考えています。
※東京・両国:ドリームツリー公認インストラクター養成講座会場にて。記事内の写真は、同日に撮影されたものです。
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