ご近所の底力
6月12日(金)午後8時過ぎ、
出張から戻った私は、マンションの敷地内で
パール(マルチーズ/14歳程度)を散歩させ、
トイレの後始末をして振り返ると、パールの姿がどこにもない。
「えっ、どうして!?さっきまでここに居たのに!」
あせって敷地内を探すが、見つからない。
パールは、
ボランティアによって保健所からレスキューされた高齢犬。
先住犬「ちょち」が14歳で亡くなった後、
ちょちが生きるはずだった残りの人生を幸福に
生きて欲しいと思い、里子として引き取った。
哀しい境遇の子なので極力のんびり過ごさせてやりたいのに、
迷子にしてしまうなんて、と自分を責めた。
「パぁ~ルぅ!パぁ~ルぅ!」
名前を叫びながら近所を走り回り、
出会う人ごとに
「白い小型犬を見ませんでしたか?」
と聞くが、一向に見つからない。
「心配ですね。注意しておきます。見つかったらどこに連絡しますか?」
と気遣ってくれる人、
「僕も一緒に探しましょうか?」と言ってくれる小学生もいた。
パールをレスキューしたボランティアの方に連絡して対処法を聞く。
まず、警察に届け、その後、手作りポスターを電柱に張りながらパールを探す。
2時間が経過。23時過ぎになった。
「年寄りだし、白内障なのに。交通事故にあったらどうしよう...」
「ダメダメ。再会できることをイメージしよう!ちょち、助けて!」
色々な気持ちが交差する。
念のためにもう一度、と警察署に電話をかけた。
「●●交番で取得したって連絡がありましたよ。こちらに来て確かめてもらえますか?」
「どうかどうかパールでありますように!」
祈るような気持ちで行くと、
先ほど私が声をかけた女性が、パールを抱いて待っていた。
「この子じゃないかと交番に連れてきました。
あの時、私に声をかけてくれたのが何かのご縁だったんですよ。
大切な家族ですもんね。よかったですねぇ。」
女性のやさしい言葉に涙があふれてしまう。
何度も御礼を言い、パールを連れて家に戻った。
翌朝、パールを散歩させていると、
何人もの知らない方から
「あっ、見つかったんですか?よかったですね。」
と声をかけられた。
ポスターを見てくれたらしい。嬉しかった。
パールは、最初の飼い主には捨てられてしまったけれど、
レスキューボランティアの方たちに命を助けられ、
今回は、ご近所の方の善意で私のところに戻ることができた。
パールも私も本当に良いご近所さんに恵まれている。
親切なご近所のみなさん、こころからありがとう!
担当:ポムポム