001:ロマンチストで行こう! 2/2
― 今後のビジョンについてお聞かせ下さい。
AEFAの基本コンセプトは『最大の受益者は子どもである』です。
学校に行くこと、学ぶこともままならない子どもがいることを、日本の子どもに知ってもらいたい。今、自分の日常にある当たり前のことがない子供がたくさんいる現実。
自分が日々、普通にやっていることが、あるところでは、見たことも聞いたこともないものであるという現実にしっかりと触れてもらいたいです。
その上で、受身のままではなく、そういう子供たちに対して自分なりに思いやりを持ち、
「何かできないかな」と考えて積極的に行動を起こして欲しいです。
もちろん、アジアの子どもたちにも学ぶ喜び、新しいものを知る機会を得た幸せを、
今度は日本の子供たちに伝えて欲しい。
ぼくの、わたしのあの思いやりはこんな形になった―
学校を、学びをありがとう―
そんな場面がどんどん増やしていきたいですし、支援と交流の懸け橋で あり続けたいと思っています。
今年から『ワンコインプロジェクト』を始めました。 全国で、すでに10校が賛同してくれていまして、500円ずつ募金してもらい、 収益を学校建設に充てるというものです。
500円は児童や教師から集めますが、
「お母さん、お小遣いちょうだい」で、もらった500円ではダメです。
空き缶を拾うボランティアをする。お小遣いを少しずつ貯める。
お菓子を買うのをやめる。
自分でできる我慢や、奉仕の体験から生まれた価値ある500円でなければなりません。
このプロジェクトを通じて、『自分の行動があって初めて相手が生きる』
ということを子どもたちに実感してもらえたら、素晴らしいと思います。
フレンドシップ交流でお礼の手紙が届いたり、写真が送られてくれば、
自分の行いの一端が学校づくりにつながったと実感できますし、
物理的にどんなに遠くても、身近に感じて、距離は一気に縮まります。
テレビやインターネットでは見られないリアルなつながりですね。
こうした"つながる"を生みだすのもわたしたちの支援と交流のあり方です。
― 情熱があればこそのお仕事ですね。これからの人へメッセージをください。
仕事をする上で大切なのは熱、つまり共にやっていこうという情熱です。 その情熱も夢を持ち続けること、人の和を大切にすること、相手に思いやりを持っていなければ保てません。 最近、Noという技術だとか、断るテクニックが声高に言われるけれど、 私は逆に言いたいです。「Yesという厳しさを知れ」と。 Noと言うのは逆に気が弱いからだと私は思いますね。 Yesと言って被る迷惑は自分だけです。それで泣いても構わない。 やっぱり、ロマンチストでいたい。 ロマンチストであり続けるために、強くあろう! 感動してたくさん涙できる人生を送るために。
― 今日はありがとうございました。
インタビュアー後記
まさに目の覚める想い。
明晰な頭脳と柔らかいお人柄、商社時代の「企業戦士」としての厳しい表情も、
アジアの僻地に、額に汗しながら笑顔で足を運ぶ姿も、
ありありと目に浮かび、お話に引き込まれた。
もし今、私が今もサラリーマンで、上司を選ぶことができて、
谷川理事長がそこにいるなら、一緒に仕事をしてみたい。
厳しいことは間違いない。不出来で何度ともなく叱責されるだろうし、
「お断り!」と言われる可能性も大なのに、強くそう思う。
情熱もロマンもなかなか聞くことのなくなった言葉だが、
実は仕事をする上で一番忘れてはいけないものだ。
手放すのは簡単、手放した方が楽・・・いや、知らないうちに失っている
ものなのかもしれない。
「一緒にやろうじゃないか」
そう声をかけられて、そこに共有できる熱があるなら、考え込まずに
自分を賭けてみたい。そうして前に進みたい。
そんな夢のある、濃い人生をおくりたい。
「あなたもロマンチストでしょ?」谷川理事長から聞かれた。
「はい」迷わずそう答えていた。
流行りである必要はない、格好いいロマンチストであり続けたい。
NEWS
「団塊難民」廣済堂出版 (2006/11/25)溝上憲文氏著に、今回お話をお聞かせいただいた谷川理事長が紹介されています。(P203~)是非書店で手にとって、お求め下さい。